写真の引用元 TheRugbyChampionship公式Twitter
スクラム解説
ザ・ラグビーチャンピオンシップ 第5節 アルゼンチンvs南アフリカのスクラム解説です。
WOWOWで視聴できる試合になりますので、視聴可能な方は映像とあわせて読んでいただけると、
わかりやすいと思います。数字はスクラムが起こった時間、ARGはアルゼンチン,SAは南アフリカを表しております。数字の横のARG、SAはどちら側のボールのスクラムかを表しております。
1分 ARG
このスクラムは、ARG2番のホットコール前に両足を下げてしまう反則によって、SAにペナルティが与えられました。フッカーの選手はセットコールがかかる前に足を下げて、相手に全体重をかけてはいけないことになっています。このルールは選手の首にかかる負荷を軽減させて、けがのリスクを下げる目的があります。
3分 ARG
このスクラムは、ヒット直後にSAがスクラムを崩す反則によって、SAにペナルティが与えられました。
このスクラムでSAはとてもいいヒットをしてARGを大きく下げさせました。しかし、ヒットが良すぎたためにスクラムが大きく動いてしまい、前に進んだ分を足を運ぶことができず崩れてしまいました。SAがいいヒットをして崩れずにボール投入を迎えていれば、大きくプッシュをかけてボールを奪っていたかもしれません。
35分 SA
このスクラムは、SA3番のスクラムを崩す反則によって、ARGにペナルティが与えられました。
先ほどの反則とは違い、このスクラムではSA3番がヒット後に姿勢を崩して落ちているようです。
また、落ちた後に両足が伸び切ってしまっているので、レフリーからの印象も悪くなったと思います。
40分 SA
このスクラムは、SAがプッシュをしながらSA8番がボールを持ち出しました。
このスクラムでSA3番はARG2番に向かってプッシュをかけました。そうしたことで、ARG1番は正面に押す相手がいなくなり体が内側を向き、SAに対して真っすぐ押しことができなくなりました。そのため、SAのフリントローでARG2番,3番の二人を押すという形が生まれました。SA1番が少し外側に流れてしまったことでスクラムは回ってしまいましたが、真っすぐ押していればゴールに向かって進んでいたと思います。
43分 SA
このスクラムは安定して、SA9番がボールを出しました。
このスクラムでSAはいいヒットをして、ARGに前に出させませんでした。
しかし、ARGが8人でまとまって押していたためスクラムは大きく動きませんでした。
53分 ARG
このスクラムは、SAがプッシュをかけましたが、ARG8番がボールを持ち出しました。
SAはプッシュをかけてボールを奪えそうでしたが、両フランカーが途中で押すのをやめて離れてしまったため押し切ることができませんでした。フランカーの選手はスクラムからボールが出た後のディフェンスの仕事もあります。そのため、ボールが出る瞬間までスクラムに参加することが難しいです。
ボールが出る直前まで全力でプッシュをしてくれるフランカーは、スクラムの中でカギになります。
55分 ARG
このスクラムは安定して、ARG21番がボールを出しました。
このスクラムで両チームともヒット後に低くなれており、力の均衡がとれた状態でした。プロップの選手の膝の位置を見るとヒット後に低くなっていることがわかります。この状態が理想に近い状態だと思います。
58分 ARG
このスクラムは安定して、ARG21番がボールを出しました。
後半に入り、両チームともフロントローの選手を交代してから、スクラムが安定することが多くなりました。無理に押そうとするのではなく、真っすぐ力を相手に伝えるように押している選手が多いように見えます。攻撃的な組み方と保守的な組み方に分けることができると思います。どちらの方がいいかは決めることができませんが、どちらの組み方もできる方がいいと思います。
59分 ARG
このスクラムは、SAがプッシュをかけましたが、ARG8番がボールを持ち出しました。
このスクラムでSA18番は大きくスクラムを動かそうと内側に切り込んでいきました。その結果、ARG2番を押し込むことはできましたが、ARG17番に低く組み込まれ頭が上がってしまいました。そのため、ボールに対して大きくプレッシャーを与えることができませんでした。SA18番はARG17番に低く組み込まれないように、胸でしっかりと抑えながら内にプッシュする必要がありました。
61分 SA
このスクラムは、SAのスクラムを崩す反則によって、ARGにペナルティが与えられました。
このスクラムでもSA18番はARG17番に低く組み込まれてしまいました。ARG2番は先ほどはSA18番に下げられてしまいましたが、今回のスクラムでは前に出ることができました。ARGのほうが8人全体でまとまって押せているように見えます。SAはSA18番がARG17番に低く組み込まれて押し下げられたところからバラバラになっているように見えます。スクラムにおいて8人でまとまって押すことの重要さがわかります。
64分 ARG
このスクラムは、ARGがプッシュをかけながらARG8番がボールを持ち出しました。
このスクラムでARGはいいヒットをして少し前に出ることができました。ARG18番が前に出たことでSAのフランカーが出にくくなり、ARG8番はプレッシャーを感じずにボールを持ち出すことができました。
64分 ARG
このスクラムは、SA2番の頭を上げてしまう反則によって、ARGにペナルティが与えられました。
このスクラムでもARGがいいヒットをして少し前に出ることができました。優位性を生かしたままボールを投入しSAを押し込みました。交代して入ったばかりのARG16番がSA2番を突き上げるように押し、SA2番は頭を上げてしまいました。選手交代で組み合う相手が変わったときは、組み方の違いに対応するのに時間がかかります。ARGはいいタイミングで選手交代をしたと思いました。
おわりに
以上でザ・ラグビーチャンピオンシップ 第5節 アルゼンチンvs南アフリカのスクラム解説のすべてになります。この解説は1人のラグビーファンの一意見にすぎません。私と違った考え方や感想などがございましたら、ぜひコメントしていただけると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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